さかなゼロひき

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夜よさよなら

ちょうど、高校の頃

知り合いの兄の本棚に手塚治虫のマンガが

ぎっしりと並んでいて

遊びに行くたびに、手塚治虫のマンガを読むのが

日課になっていた。

 

その中に、短編の「夜よさよなら」があった。

 

メキシコに住む日系二世の少年とサボテン・ノーチェスとの

ココロの交流が描かれる。

 

サボテンによって命を救われた少年・タブロは

本の学校への憧れを抱いていた。

でも、実際、父の転勤で日本の学校に通ってみると

片言の日本語しか話せないタブロは、いぢめに合う・・・

 

ノーチェスとの再会に、ココロがホッとしたり

 

本当に、単行本1冊にも満たない短編の

この作品が忘れられなくて

ずっと、ココロの片隅にあった。

 

そして、やっと単行本を買って

読んでみると、あぁ、そうそう、そうだった!

覚えてる!覚えてる!

と、思いながら読むと

思ったよりも、ほんとに短い作品だったことを

再確認した。

そして、日本のいぢめが本当にひどくて

転勤した父も、窓際族になっていたり・・・

 

こんなに短い作品なのに

私のココロの中にも、ノーチェスが住み着いていたのか・・・

 

たくさんの手塚治虫作品の中で育った

私が、特に温め続けたマンガだ。

 

こんなに、短い作品でも

人のココロを掴んで離さないマンガが描けるなんて

やっぱり、手塚治虫は天才だと思った。 

夜よさよなら

夜よさよなら

 
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