※ネタバレしかありません。
ネタバレやだよって人は読まないように
予告の頃から、気になっていた作品。
山田尚子&吉田玲子によるオリジナルアニメ。
人が色で見えるトツ子。
初めて見た時から、きみちゃんの色に
初恋にも似た感情を抱くトツ子。
トツ子ときみちゃんは、ミッション系の女子校に
通っている。
全体的に、淡い色合い。
その色使いに目を奪われた。
制服は、夏服は淡い水色のセーラー服。
着替えのシーンでワンピ型だとわかる。
そして、上履きが淡いグリーンで統一されている。
冬服は、淡いグレーだった。
トツ子は、ぽっちゃりした女の子で
淡い髪を三つ編みにしている。
きみちゃんは、クールな印象の女の子で
スラッとしている。
ふたりは、友達ではない。
トツ子が、一方的に、きみちゃんに憧れている。
トツ子が、仲良くしているグループ3人組は仲が良く
トツ子は3人を「森の三姉妹」と呼んでしまうくらい
似た色をしている。
その森の三姉妹は、トツ子と寮も同室。
トツ子が単独行動していたり
ひとりで何かに熱中していても
別に、ハブったりもしないしベタベタもしていない。
トツ子が、実家からお土産に渡した福岡名物を
森の三姉妹は、それを大切に食べているので
トツ子が、3人から愛されていることが窺える。
きみちゃんが学校を辞めたことを知ってから
物語が動き出す。
きみちゃんがいない学校は、トツ子にとって
それはモノクロの世界になってしまった。
わかる。
学校の楽しみといえば、片想いの男子に一瞬でも
会えたら1日が楽しかったりするもんな。
トツ子は、きみちゃんを見かけたという本屋探しをする。
トツ子、かなり行動的w
きみちゃんの本屋へいざなうことになる黒猫。
このあたりは、「耳をすませば」を思い出すw
「耳をすませば」の猫は、豚猫だったけどw
やっと、見つけたきみちゃんと
ふたりをバンド仲間だと勘違いしたルイくんが
3人でバンドを組むことになる。
青春の始まりだ!!
ルイくんは離島に住んでおり
ふたりは船に乗って会いに行く。
途中、いろいろあって離島にしばらく
行けないことになり
久々に離島に行くと、ルイくんは嬉しさのあまり
ふたりをハグしてジャンプする。
あ・・・
わかる。
きみちゃんが、ルイくんを異性として
淡い恋ココロを持っていたとしても
そこには男女を超えた友情がある。
トツ子も、きみちゃんがルイくんに恋してる色を
とてもキレイだなーと見つめているので
なんて、優しい世界なんだろう。
意地悪な人も、頑固な大人もいない。
理解のある大人たちに、自分たちが
まだ、何者でもない子供でココロの成長を
見守ってもらっている。
トツ子と一緒に
「水金地火木土天アーメン~♬」と
踊りながら、歌い出したくなるw
バンド名、「スーパーアイス」じゃなくて
「しろねこ堂」にしたんだねw
3人のしろねこ堂としての歌は、全部、好き。
ボーカルは、きみちゃん。
トツ子は、人を色で見えることを内緒にしていたし
きみちゃんは、まわりが思っている自分とは違うと葛藤していたし
ルイくんは、母の病院を継ぐ予定だけど音楽が好きって隠していた。
大なり小なり、みんな悩みがある。
トツ子は、ふたりには色が見えることを打ち明ける。
きみちゃんはブルーで
ルイくんはグリーンだと言う。
自分の色は見えないことも。
そんなトツ子が、やっと、自分の色を見れた瞬間と
船に乗ったルイくんを見送るふたりに
感動と寂しさを感じた。
そこには、揺るぎのない友情と青春があった。
ずっと、3人を見守っていたいような
でも、永遠じゃないからこそ美しいことも・・・
タイトルの「きみの色」は
いろんな意味合いがあるように感じた。
自分は、どんな色なんだろう?
そして、こんな素晴らしい映画を
見れたことに感謝したい。