さかなゼロひき

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血の轍

WEBで読んでいたけど、これは

きちんと単行本で読みたいと思って

WEBで読むのを止めた。

 

新章に入った時に、買おうか悩んだけど

結局、最終巻が出た時に一気に購入した。

 

押見修造原作マンガ。

 

押見修造のマンガは、過去に読んだことがあったので

また思春期の鬱々とした物語かと思った。

 

読み終わった時、映画のような壮大な物語を

見たキモチになった。

 

ぐわんぐわんと揺さぶられた・・・

 

主人公・静一にも共感するし

静一の母親、静子にも共感する。

 

序盤では、静子が毒親に見えなくて

ちょっと過保護なくらい?

 

この物語は、日本の家庭では、あるあるだと思った。

父親より、母親と子供の時間が長い。

そして、自然と密接していく。

 

子供にとって、母親は特別な存在。

それが、どんな毒親だろうと。

そして、毒親も最初から毒親になろうと思ってたわけじゃない。

 

父親は、自分の死後も

金銭面で息子に苦労をかけまいとするところは

父親らしいなって思ったし

それでも、やっぱり母親には敵わないし

救えるのも母親なんだな・・・

 

静一は、いちお法のもと罰を受けるけど

本当の罰は、自分を捨てた母親の介護だったと思う。

そして、静子の方も罰を受けるしね。

 

後半の描写が、凄まじかった。

老いをリアルに感じた。

 

静子が、出産後の寂しさとかもリアルだった。

これは、仕事が忙しかった一郎が悪かったわけではなく

そーいう社会が悪かったんだと思う。

今のように、育休がある時代じゃなかったし。

 

子をもつ母親として、自分も反省する点が

いっぱいある。

 

そして、子として母親に思うところもある。

 

静一が

 

「あなたを笑ってあげることなんて

思いもしなかったよ」

 

私も、静一と同じく、ムリだった。

そんな余裕なかったよ。

あー・・・まるでココロの中を

代弁されてるみたいだった。

 

この作者も、同じように苦しんだんだろうか?

 

苦しいんだけど、読む手が止まらなくて

一気に読んでしまった。

 

長い、長い人生の中で

なんて、母親の存在って、こんなにも大きいんだろう。

 

父親が、あんなによくしてくれたのに

静一の暮らしは変わらなかった。

それが、母親と再会したことで

静一の暮らしは変わるんだから

母親って、やっぱり特別なんだろうな。

 

6年間の連載、そして最後まで描ききって

単行本化されたことに

私は、感謝したい。

 

子供としての私。

独身時代の私。

結婚してからの私。

母親になってからの私。

 

いろんな私と向き合うことができた。

 

母親に、文句を言ってやりたいキモチと

でも、やっぱり大好きだってキモチ

そして、子供から文句を言われたら

受け止められるようにしよう。

反省したり、ケンカしたり、軽口を叩けあえるような

そんな親子になっていたらいいな。

 

私にとって、特別な作品になりました。

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