さかなゼロひき

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永遠の野原

学生時代、学校の最寄駅に

本屋があって

単行本の棚を見たり

マンガ雑誌を、ぺらぺらと

立ち読みしていた。

 

たまたま、目に止まったマンガが

永遠の野原」だった。

当時は、タイトルも知らずに

読んでた。

 

雑誌では、主人公・二太郎とマリコさんの

虫の話だったと思う。

 

それ以降、読むこともなく

すっかり、忘れていた。

 

別の本屋で、たまたま表紙を見て

あれ?

と、思って買ったのかもしれない。

 

逢坂みえこは、この作品で知った

マンガ家だった。

 

なんだか、絵柄が、とてもシンプルなんだけど

好きな感じだった。

 

それから、単行本を集めて

読み始めた。

 

主人公・二太郎は、姉・一姫と二人暮らし。

一姫には、恋人の柳という男性がいる。

二太郎は、親友・太と女友達・野沢と

高校生活を送っている。

 

野沢は、太に片想いをしている。

 

二太郎が、通学電車の中で

恋した女子学生・マリコさんと

つき合うようになるんだけど

マリコさんも、太を好きになってしまう・・・

 

好みの問題かもしれないけど

太って、私の好みではないから

なんで、こんなにモテるの???

と、読みながら思ったし・・・

 

二太郎が、太に、コンプレックスを抱くの

あたりまえかなぁって思う・・・

だって、まわりの女の子が

みんな、太を好きになるなんて・・・

 

太は、親友として二太郎を

すごく、大事にしてるし

いいヤツなんだよね。

だから、太が、悪いわけじゃないから

余計に、どこにも、ぶつけられない

キモチになるよね・・・て・・・

 

マリコさんの太への恋は

どんどん病んでいく・・・

きっと、これは、良くない恋なんだって

思うくらい・・・

あんなに、素直で優しい女の子だったのに・・・

太も、マリコさんに優しくすることは

一切しない。

 

野沢の太への恋は

恋の楽しさや、元気になる源だったり

 

このふたりの恋の違いって

なんなんだろう・・・?

と、ずっと、考えてたけど

わからない。

 

野沢の太への恋を見て

後輩・縫之介が

 

「本当の恋って、どんなだろう?

この人だったら、教えてくれるのかな?」

 

と、思うくらい

野沢の恋に憧れたりするんだよね。

 

ココロが病んでしまったマリコさんと

二太郎が再会するんだけど・・・

 

太には、調理師になりたいって夢があり

横浜へ旅立つ日

新大阪駅で、見送りに来た二太郎に

 

「おれたちは、もう会わない方がいいんだ」

 

と、二太郎に別れを告げる・・・

 

え!!

なんで???

ずっと、友達でいれないの???

 

と、ずっと、このシーンを

考えていた。

 

二太郎は、太も、マリコさんのこと

好きなんじゃ?

と、いうキモチをもっていたし

多分、二太郎が、自分にコンプレックスを

抱いてることも

太は、全部、わかっていたのかもしれない。

 

この先も、不安にさせるだけの存在でしかないのなら

もう、会わない方がいい。

そう、思ったのかもしれない。

 

読んだ時は、なんで?なんで?

と、すごく、ショックだったけど

 

二太郎を、親友として大事にしてきた

太なら、きっと、わかっていた。

お互いに、一番、いい方法は

これしかないと、思ったんだ・・・

 

永遠の野原」は

すごく、切ない物語で

だけど、ココロが温かくもなる

不思議な作品。

 

好きなキャラって

誰だったのかな?

と、ちょっと、振り返ってみたけど

この作品に、悪い人なんて

誰ひとりとしていなくて

みんな、愛すべきキャラたちだったなって

思う。

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