空から、まっすぐに落ちていく少女。
少女を、取り囲む「灰羽」と呼ばれる
子供たち。
少女は、空から落ちる夢を見たことから
「ラッカ」と名づけられる。
飛べない灰色の羽をもつ仲間たちと
ラッカも、また、飛べない灰色の羽をもつ
「灰羽」として古びた街で、暮らすことになる。
お金を持てない「灰羽」たちは
古着をもらって生活しているんだけど
ラッカが、初めて着る服が
セーラーワンピで、すごい、かわいいし
背中から、ちょこんと羽を出すところが
また、私的には、かなり好きwww
ラッカを、最初に見つけたレキは
小さな灰羽の子供たちの世話をしたり
ラッカの面倒も、よく見てくれる。
一見、ほのぼのとした物語に
感じるけど
「灰羽」の仲間たちの中で
最年少だったクウが
グリの街から、光と共に
壁を超え、巣立っていった・・・
そのことで、ラッカは
強い消失感を感じ・・・
ラッカの羽に、黒い染みが出てきて
それは、罪憑きと呼ばれるものだった・・・
生まれた時から、罪憑きで
黒い染みがあったレキは
対処法を知っていた。
ラッカのココロの闇から
レキのココロの闇へ、繋がっていく・・・
レキは、生まれる前の記憶がなく
いい「灰羽」になるために
ラッカに、良くしていた。
別に、ラッカじゃなくても良かった。
と、告げて
暗い部屋の中で、列車がやって来るのを待つ。
ラッカは、レキを助けたいと
助けに行く。
もう、この描写で、一気にレキが好きになった。
一番、つらくて、悩んで
孤独だったのは、レキだったんだね・・・
ラッカに、助けられたレキは
光と共に巣立って行った・・・
もう、ラッカは、消失感を感じることなく
見守ることができた。
この作品を、初めて見た時から
ラッカが、空から、まっすぐ落ちるシーンで
「灰羽」って、自殺した子供たちなのでは?
と、ちょっと、思ったんだけど
レキの列車に、轢かれようとするシーンで
それは、確信に変わった。
ラッカは、屋上から飛び降りて
「灰羽」になった。
レキは、列車に轢かれて
「灰羽」になった。
だと、したら
光と共に、壁を超える巣立ちとは
いわゆる、成仏みたいなものかもしれない。
最初の、ほのぼのだけの物語だったら
私は、全然、興味なかったと思うけど
ほのぼのした生活の裏の
闇の部分が、この物語を深いものにして
一度、見たら、ずっとココロに
残る作品になったと思う。
私が、この作品を見たいと思ったのは
「serial experiments lain」のキャラデ
安倍吉俊の作品だと知ってから。
もともとは、同人誌だったらしい。
「lain」とは、また違った世界観だけど
とても、良い作品です。