子供たちは夜の住人

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愛人[AI-REN]

田中ユタカ原作マンガ。

 

田中ユタカは、エロ漫画家として

かなり有名みたいだけど

私が、初めて読んだのは、この作品だったので

本当は、ずっと、こーいうマンガが描きたい人だったのでは?

と思ったし

田中ユタカの成人コミックも一通り読んだけど

全部、純愛であることや絵柄がかわいすぎて

エロいキモチには、まったくならなかった。

 

生まれながらに人間は虚弱で、生殖機能も喪失している。

絶望的な未来が舞台。

 

孤児で終末期患者のイクルが主人公。

精神の救済目的で、イクルは「愛人(アイレン)」という

疑似恋人・配偶者になるシステムを利用して

「あい」と名付ける少女と一緒に暮らし始める。

 

人間が、フツーに暮らすことが難しい世界で

ふたりのほのぼのとした日常が描かれる。

 

「あい」は、生まれたての子供のように無邪気で

イクルの世話役をするというより

イクルが「あい」の世話役をしてる。

 

この、ほのぼの日常に、ちらほらと

世界の終わりを感じさせる。

 

生物工学や技術だけは発展しているが

完璧ではなく、新しい人間を生み出そうとしては

失敗を繰り返している。

遺伝子操作に失敗した子供たちも多量に存在している。

 

ふたりが純粋であれば、あるほど

読んでて、つらくなってくる作品だった。

 

イクルの先生・ナギは、遺伝子改良エリートで

最初から生殖機能がない人間。

 

人類が滅びの道へ突き進んでいくので

イクルや「あい」の残された寿命が短いことから

ふたりの最後は、こんな感じかな?

なんて、ぼんやりと思っていたし

なんなら、奇跡的にふたりには子供ができるのでは?

なんて希望さえも抱いていた。

 

でも、現実的に、そんなキレイな死に方なんてしない。

「あい」を看取ったイクルは、残酷な死に方をする。

長年、患った病気で死ぬわけでもなく

もちろん、自殺でもなく

そんな死に方・・・と言葉をなくした。

 

田中ユタカは、エロ漫画以外に

描きたい題材が、いっぱいあったんだろうな。

でも、リアルで来る仕事はエロ漫画だし

ファンも、エロ漫画を求めているジレンマも

かなりあったと思う。

 

よく、マンガ家に簡単になる方法は

エロ漫画でデビューとか言われてた時代があって

この一度、エロ漫画家というイメージがつくと

ほんとに、エロ以外のマンガを描くことの難しさを

田中ユタカの苦悩に見た気がした。

 

あ、田中ユタカが、簡単にマンガ家になりたくて

エロ漫画作家になったわけではないですよ。

そこは、勘違いしないようにw

 

この作品が、本当によかったので

その後の田中ユタカのマンガを楽しみにしていたけど

あまり描いてなさそう。

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